Insta360 GO 3S イージークリップ レビュー|帽子でのPOV撮影と角度調整のコツ
特徴と使用シーン
GO 3S用イージークリップ(簡易クリップ)は、その名の通り手軽に使えるクリップ式マウントです。主な用途は帽子のつばやヘアバンドに挟んで、カメラを視線の高さに固定できる点にあります。ハンズフリーでのPOV撮影が可能になるため、ハイキング中の景色撮影やスポーツ観戦時の記録、釣り・クライミングなど両手を使うアクティビティで威力を発揮します。クリップを帽子に装着するだけで目線とほぼ同じ高さから映像を残せるので、胸元のペンダントよりさらに没入感のある一人称視点が得られます。私もキャップのつばに付けて自転車で街中を走る様子を撮影してみましたが、ちょうど自分の見た風景そのままの映像が撮れました。胸より高い位置のため人混みでも視界が遮られにくく、まさに自分の目がカメラになったような感覚です。
新デザインのGO 3S用クリップは、従来モデル(GO 2/GO 3無印のクリップ)より改良が加えられています。一つは角度調整範囲の拡大で、最大195°までカメラの傾きを変えられるヒンジ構造になりました。これにより、つばの角度に合わせて微調整し、理想の画角を得ることが容易です。もう一つの特徴は磁気ペンダントとの併用が可能になった点です。クリップ自体に磁石が内蔵されており、服の上から磁気ペンダントに貼り付けることで胸部にも固定できる柔軟性があります(詳細は後述)。素材もシリコンコーティングされており滑りにくく頭部にフィットしやすいので、長時間装着してもずれにくく快適です。
競合マウントとの比較
頭部近くにカメラを固定する手段として、従来はヘッドストラップ(頭に巻くバンド型マウント)が一般的でした。GoProをはじめ多くのアクションカメラでヘッドストラップが用意されていますが、これはゴーグルバンドのように頭全体に装着するため、固定力は高い反面かなり目立ちます。Insta360の簡易クリップは帽子やヘアバンドのふちに挟むだけで済むため、装着の手軽さと目立たなさで勝ります。例えばキャップのつばに付ければ正面から見てもほとんど違和感がなく、街中でも自然なスタイルで撮影が可能です。一方、ヘッドストラップは激しい動きにも耐える安定性があり、例えばスキーやマウンテンバイクなどヘルメットの上から固定する場合に有利です。簡易クリップはあくまでクリップ力で挟んでいるので、強い衝撃では外れるリスクがあり、そこは競合のヘッドマウントに譲ります。
競合製品としては、Insta360自身も上位アクセサリーとしてピボットクリップを販売しています。ピボットクリップは360°回転と180°チルト調整が可能で、クリップ力も強化された製品です。価格はピボットクリップ(約2600円)が簡易クリップ(約1600円)より高いですが、そのぶん自由度と固定力に優れます。両者を比較すると、コスト重視で気軽に使いたいなら簡易クリップ、多少値が張っても最高の安定性と可動域を求めるならピボットクリップという棲み分けです。実際私はまず簡易クリップを使ってみて、満足できなくなったらピボットクリップへのステップアップを検討するのが良いと感じました。
また、他社製の帽子用クリップも市販されていますが、口コミでは「挟む力が弱い」「角度が調整できない」といった不満も散見されます。その点、Insta360純正クリップはカメラとの親和性が高く、磁石も内蔵する独自機構で差別化されています。例えばDJI Action 2用の磁気ヘッドバンドは磁力で頭に貼り付けるタイプでしたが、GO 3S簡易クリップは物理クリップ+磁力のハイブリッドで、より安定・確実な設計です。総じて、手軽さと安定性のバランスが取れたクリップとして競争力は高いでしょう。
使用時の注意点(落下・磁力・角度調整)
挟む対象とクリップ力: このクリップは厚さ2~3mm程度までのつばやベルトに適しています。素材が薄すぎると保持力が弱まり、逆に厚すぎるとクリップが開かず装着できません。推奨はキャップのつばやサンバイザー、ヘアバンド等で、幅もある程度(クリップ全幅約30mm以上)あるものが安定します。装着時はクリップを大きく開きすぎないよう注意し、指を挟まないよう気をつけてください。特にヒンジ部分に無理な力を加えると破損の原因になりますarchisite.co.jp。私の経験では、キャップの硬いつばに付けた際は非常に安定しましたが、柔らかめのバイザーだと走行中に少しズレることがありました。挟む対象の剛性もある程度必要です。
激しい動きと落下: 簡易クリップ単体での固定は、先述のヘッドストラップほど強固ではありません。ジャンプやダッシュ、激しい揺れのあるアクティビティでは使用を控えるのが無難です。私も全力疾走してみたところ、帽子ごと揺れて映像がブレるだけでなく、クリップがずり落ちそうになりました。激しい動きが予想される場合は、より強力なピボットクリップや、ヘルメットに粘着マウントを付ける方法などを検討してください。また、高速移動時の風圧にも注意が必要です。公式には自転車走行時は時速50km以下に抑える推奨があり、それ以上のスピードでは風で帽子ごと飛ぶ恐れがありますarchisite.co.jp。
磁気ペンダントとの併用: 簡易クリップは磁石を内蔵しており、Insta360純正の磁気ペンダントと組み合わせることで胸部への取り付けも可能です。具体的には、服の下にペンダントを入れ、服の上からクリップでカメラを挟むようにします。これにより、クリップの挟む力+磁力で二重に固定され、通常より安定します。特に垂直方向(縦型)撮影では、GO 3Sの場合マグネットペンダントを縦位置に設置することで自動で9:16映像になるため、胸に縦向きにクリップ装着する技も可能です。ただし、ペンダントとの併用時は位置をずらさないよう慎重に装着してください。クリップがペンダントから外れると単なる磁力頼みになり危険です。
カメラの発熱: クリップに装着したカメラは背面が頭部や帽子に近接します。長時間録画するとカメラ背面がかなり熱くなるため、直接肌に触れないように注意しましょう。ヘアバンドの場合は間に布地を挟む、帽子の場合は内側の汗止めバンドが緩衝になります。夏場の炎天下などでは適宜休止しつつ使用してください。
角度調整のコツ: クリップのヒンジは抵抗があり勝手に動かないよう設計されています。角度を変える際はカメラを外してからクリップ部分のみをゆっくり曲げると安全です。装着したまま無理に角度を力任せに動かすと、帽子から外れたりカメラに負荷がかかります。また、調整範囲は195°ですが限界以上に反らそうとしないようにしてください(壊れる恐れがあります)。ベストな画角は実際の映像を確認しながら微調整すると良いでしょう。特に下向き過ぎると自分の帽子のツバが映り込むことがあるので、少し上向き気味にセットするのがポイントです。
製品スペック(調整範囲・重量・サイズ)
- 角度調整範囲: ヒンジにより約0~195°の範囲でカメラの傾きを変更可能。真っ直ぐ前方から、自分に向けたセルフィー的角度、さらには真下方向近くまで幅広く対応します。他社の類似クリップでは90°程度しか曲がらないものもある中、本製品は非常に自由度が高いです。
- 360°回転: 簡易クリップ自体には回転機構はありませんが、装着する向きを工夫することで縦横の切り替えはできます。例えば帽子のつばに真っ直ぐ付ければ横向き映像、斜めに付ければ斜め視点、垂直に挟める場所(肩のストラップ等)に付ければ縦向き映像といった具合です。GO 3Sでは取り付け方向によって自動で縦横のアスペクト比が変化します。
- サイズ・重量: クリップ本体の大きさは約縦28.5×横30×奥行64mmと手指サイズです。重量は約24gと非常に軽量で、装着しても帽子のバランスを崩しにくくなっています。材質はプラスチック製フレームにシリコンパッド、内蔵磁石・鉄板を組み合わせています。このシリコン素材が挟む対象を傷つけず滑り止めの役割も果たしています。
- 取付方法: カメラ本体とはマウント部分の**サイドバックル(爪)**で固定します。クリップの内側にあるガイドに沿ってGO 3Sを差し込み、しっかり「カチッ」とはまるまで押し込みます。背面のアイコンマーク同士の向きを合わせるのが正しい取り付けのコツです。取り外しは両側からカメラを軽く押し広げるようにすれば外せます(※無理に引っ張らない)。
- 保証期間: 他のGO 3Sアクセサリーと同様、購入日から3ヶ月間の製品保証があります。通常使用での破損は少ないですが、ヒンジがもし緩んできた場合など初期不良が疑われる際は期間内に問い合わせると良いでしょう。
全体的に簡易クリップはシンプルな構造ながら、小型・軽量・広角度可動と三拍子揃ったスペックです。特に重量24gというのは、装着先への負担が少なく評価できるポイントです。私はキャップに付けた状態で半日歩き回りましたが、重さを意識することはほとんどありませんでした。また、サイズも小さいため携行もしやすく、ポケットに入れておいて必要なときサッと取り出せます。
販売価格・入手性(日本市場)
イージークリップの価格は税込1,600~1,800円前後と非常にお手頃です。2025年現在、Insta360 GO 3S本体には標準アクセサリーとしてこのクリップが1つ付属しています(※GO 3無印の基本セットにも付属)。そのため追加購入のニーズは、紛失時や予備・家族用にもう1個欲しい場合などでしょう。単品販売もされており、アマゾンやヨドバシカメラなど主要通販で取り扱っています。在庫も比較的潤沢で、「Insta360公式ストア(Amazon内)」では送料無料ラインが低く設定されているため小額商品でも入手しやすいです。
日本国内代理店のアーキサイト公式通販や大手量販店(ビックカメラ、ヨドバシ等)でも購入可能で、価格差はほぼありません。ヨドバシ.comでは税込**¥1,600**でポイント1%還元となっています。Amazonでも概ね同程度で、タイミングによっては若干の割引が適用されている場合もあります。低価格ゆえ偽物なども出回りにくく、安心して正規品を購入できる環境と言えます。
なお、製品型番はCINSBATNで、GO 3/GO 3S両対応となっています。旧モデルのGO 2用クリップ(型番CING2XX)は形状が異なるので互換性がありませんので注意してください。基本的にGO 3シリーズ以降はこの新デザインに統一されています。
付属品に関して: 単品購入しても特に追加パーツはなく、クリップ本体のみとなります。磁気ペンダント等は別途購入が必要です。ただ、GO 3S本体セットについてきたものをなくした場合は単品購入してすぐ使えるため、その点安心です。
私だけのポイント(体験談)
私が簡易クリップを使って感じたユニークなポイントをお伝えします。まず何と言っても**「手軽さこそ正義」**という点です。最初、帽子につけるだけで本当に大丈夫かな?と半信半疑でした。しかし使ってみると、クリップを挟むだけなので本当に数秒で装着完了しますし、撮影したいシーンで素早くカメラを取り付け・取り外しできる快適さに感動しました。例えば公園で遊ぶ子供の様子を撮る時、普段ならカメラをポケットから出して…と手間取るところ、このクリップを帽子につけっぱなしにしておけば「録画開始ボタンを押すだけ」ですぐ撮影に入れます。自分がカメラマンであることを忘れて子供と遊びつつ、後で見返すとしっかり映像が撮れているという具合で、親目線の記録を残すのにも大いに役立ちました。
次に感じたのは映像の安定感です。胸のペンダントだと走ると揺れが大きかったのですが、頭部のクリップ装着だと身体の揺れが比較的小さくなります(人間の頭は自然とブレを抑える動きをするためです)。実際、自転車に乗って撮影した映像は想像以上に滑らかで、アクションカム並みの迫力がありました。ペンダントとの違いを比較すると、**視点の高さが数十センチ上がるだけでこんなに臨場感が違うのか!**と驚きました。
また、個人的なお気に入りテクニックとして、簡易クリップ+磁気ペンダントの合わせ技を試しました。具体的には、背もたれのある椅子に座って自分の真後ろの壁にペンダントを貼り付け、その壁の裏側からクリップでカメラを固定したのです。すると、ちょうど自分の頭越しに後方から撮るユニークなアングルが実現できました(この使い方はあまり一般的ではないかもしれませんが…)。磁力とクリップの両方を活かすことで、普通では考えつかないようなカメラ配置も可能になると実感しました。
最後に、長時間装着で気付いたこととして、シリコン素材のありがたみです。夏場に帽子に付けて半日歩いたとき、汗をかいてもクリップ部分が滑り落ちることなく、帽子にも跡が残りませんでした。シリコンコーティングのおかげで帽子の生地を傷めずグリップし続けてくれたようです。軽さも相まって装着を忘れるほどで、撮影に集中できました。強いて言えば、帽子を被っていないと使えないので、冬にニット帽だと挟むつばが無いな…という点くらいでしょうか(その場合はフードの縁などに付けたり工夫しています)。
よくある質問と回答(FAQ)
Q1: クリップはどんな帽子でも使えますか?
A1: つば付きの帽子やヘッドバンドに適しています。 キャップやサンバイザー、ヘルメットのゴーグルバンドなどに挟めます。ただしクリップが挟める厚さは2~4mm程度が目安です。ニット帽などつばの無い帽子には直接付けられませんのでご注意ください(帽子の上から磁気ペンダントと併用する手もあります)。
Q2: 帽子のつばに付けて走ると落ちませんか?
A2: 軽いジョギング程度ならしっかり固定されますが、全力疾走や激しい揺れは避けてください。走行中は帽子自体が動くこともあるので、映像ブレ防止のためにも中程度のスピードまでがおすすめです。高速の自転車走行では風圧で帽子ごと飛ぶ恐れもあり、公式には50km/h以下が推奨されています。
Q3: 磁気ペンダントと一緒に使うメリットは?
A3: 服の上からペンダントに取り付けると、通常より安定して固定できます。特に縦向きなど角度を決めて撮影したい場合に役立ちます。また厚手の服でも挟めるので、帽子が無い状況で胸に付けたい時など応用が利きます。ただし併用時でも激しい動きには注意が必要です。
Q4: ピボットクリップとの違いは何ですか?
A4: ピボットクリップは簡易クリップを高性能化した製品です。360°回転機構や180°ティルトが可能で、固定力も強化されていますarchisite.co.jp。価格は高めですが縦横の切替がワンタッチででき、より激しい動きにも耐えやすいです。簡易クリップは低価格で手軽さ重視、ピボットクリップは多機能・高安定性という位置づけです。
Q5: クリップでカメラを挟んでも傷つきませんか?
A5: カメラ本体のマウント部は堅牢にできており、適切に装着すれば傷は付きにくいです。クリップ側にもシリコンパッドがありカメラを保護します。私のGO 3Sでも何度も脱着していますが、目立つ傷はついていません。ただし砂や埃が噛んだ状態で無理に挟むと擦り傷の原因になるため、装着前にクリップ内側をサッと拭うと安心です。
Q6: 長時間使うと帽子からずれてこない?
A6: シリコン素材の効果でずれにくいです。私も半日つけっぱなしで過ごしましたが、大きく位置が変わることはありませんでした。むしろ帽子自体の被り方が浅いとずれやすいので、帽子を深めに被る&クリップを中心にまっすぐ挟むよう意識してください。